Web Designing2011年12月号にインタビュー記事が載りました
Web Designing (ウェブデザイニング) 2011年 12月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: マイナビ
- 発売日: 2011/11/18
- メディア: 雑誌
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今回改めて受託の見積もりについて考えてみて思ったのは、受託って基本的には請負契約の形態をとっていながら、同じRFPでも価格と出来上がるものがみんなバラバラだったりするのが難しい点なんだと思います。
【民法 第632条】
請負は,当事者の一方がある仕事を完成することを約し,相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって,その効力を生ずる。
請負契約という契約形態を本質的に考えていくと、「仕事の完成」という定義がまずあり、それに対して報酬を見積もる事になるので、「仕事の完成」が定量的に量れるような形で測定できる事が望ましいということが言えます。それは「完成」したかがどうかが明確に測定できなければ、報酬がもらえない可能性が高くなるからです。
つまり、RFPの時点で仕事の完成が明確になっている事が本来的には非常に重要で、しかもその完成の定義が人によって異ならない方が良いともいえると思います。
しかし実際にはRFP提出後に発注側、制作側双方で話し合いがあり、完成の定義が提案などにより変更されていき、両者の頭の中でなんとなくイメージされ、言語化されないような状態で契約が交わされることになるのだと思います。
価格の差というのは、それぞれの制作者の生産性の部分だけでなく、そもそも完成の定義を変えている部分に関しても見積もられているため発生している、という点がこの問題を難解にしているのだと思います。たとえばグローバルナビゲーションを作るときに画像を貼り付けるだけなのか、JSを使ってロールオーバーにするのか、プルダウン形式にするのかなどといった部分は、完成の定義を提案により変えてしまっている部分といえるでしょう。
たとえばこういった提案の余地がまったく無いRFPだった場合、基本的には作業スピードや、作業する人員の時間単価などによって価格が算出されることになるため、自給が安くて手の早い人が有利になります。この部分は非常に単純な計算ロジックになるはずです。難しいのは提案部分の価格付けです。ここは相手により、価値観が違ってくるのと、競合がどの様な提案をどの様な価格でしてくるかが見えないので悩むことになるのだと思います。この2点(生産性と提案などの付加価値)を分けて考えると、請負の場合の見積もりの仕方が少しクリアになるのかなと思いました。
※誌面ではもう少しベーシックな見積もり時に考えるべきことについて語ってます。
イベント質問いただいた色別サイト検索
ワークショップの質疑応答でいただいた、色別のサイト検索できるところってあるのか?という質問で回答したサイトです。
http://www.ubusuna.co.jp/
色別に分かれているので便利です。
【東京】11/12 Webデザイン受発注のコミュニケーション実務 ワークショップレポート
Webデザイン受発注のセオリー デザインコントロールが身につく本
- 作者: 片山良平,宮崎綾子,ケン・サイトー
- 出版社/メーカー: ワークスコーポレーション
- 発売日: 2011/09/08
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 36回
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本の執筆には結局1年ぐらいかかってしまったのですが、本を執筆中、発売後を通してネット上では反響はあるものの、実際に読者の方々や書籍に興味を持ってもらった人たちと会う機会はなかったので、何となく現実感がありませんでした。しかしこのイベント会場に来て、ずいぶん広いセミナールームが開演の時間が近づくにつれいっぱいになる様子を見ていたら非常にありがたい事だなぁという感情がこみ上げてきました。たぶん本に書いた内容って「そんな事当たり前なんだけど、、」という人もきっといる訳で、自分でも出来るようになってしまったことってそんなに大したことのように感じられないため、どれだけ役に立つのか疑問を感じていた部分もあったのですが、十分意味のある出版だったように思えました。(思い返してみると、制作者側にいたときに色々苦労してきたので書けた内容だったのだとは思いますが、人間過ぎてしまったことは忘れてしまっているんですね。。)
最初の60分の講義はともかくとして、ワークショップがうまく機能するかという点が一番の心配事項だったのですが、いい感じに回答の内容もばらけたようで、同じテーブルで共有してもらう事で色々気づきが得られるようなワークショップにしたいという意図通りになったように思います。今回のイベントの中身は主催であるイマジカデジタルスケープの林さんに色々アドバイスをいただいてイベント設計を進めていったのですが、やはり教育のプロだなぁという視点でアドバイスをいただけたので、ワークショップも機能する形にできました。
またワークショップ後の質問でも参加者の方々から的確な質問をいただけたので、説明不足の部分を質疑応答の形で補う事がうまくできたように思います。
当日の資料はこちら。(※一部大阪のイベントでの事前ネタバレにならないようにカットしている部分があります)
http://training.dsp.co.jp/shopdetail/012000000005/order/
ワークショップはテーブルごとにやってもらいましたが、非常に盛り上がりました!
さっそくイベントの感想ブログも書いていただけました。感謝!
http://saicolobe.posterous.com/182
【東京】11/12 【大阪】12/11 Webデザイン受発注のコミュニケーション実務 ワークショップ
告知が遅れてしまいましたが、「Webデザイン受発注のセオリー」出版に伴い、東京と大阪でセミナーを行うことになりました!
http://training.dsp.co.jp/shopdetail/012000000005/
執筆で疲れ切ったこともあり、最初は本の内容を抜粋して説明しようかと思っていたのですが、せっかくなのでと資料を作っていたら80P程度になってしまいました…。自分が事業者側(発注側)になったことで見えてきたことなども織り交ぜ、より詳細に解説をするつもりです。
最初50分程度は講義で、後半は簡単なワークショップ形式も取り入れ、聞くだけでなく、軽く手を動かすことで実際に使える知識に昇華できるようなセミナーにしたいと思っています。
【東京】
2011年11月12日(土)13:30〜16:30(開場13:00)
ベルサール飯田橋駅前 会議室Room1
住所:東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル
【大阪】
2011年12月11日(日)11:00〜14:00(開場10:30)
デジタルハリウッド 大阪校 地下セミナールーム
住所:大阪市北区西天満6-5-17 デジタルエイトビル 地下1F
【交通手段について】
駐車場・駐輪場はございませんので、ご来場の際には最寄りの交通機関をご利用ください。
見本誌できました
見本誌が出来ました。献本も昨日発送完了。そしてAmazonにも商品登録されました。見本誌見ておもったけど、やっぱり現物になるといろんな意味で重みがあります。
仕事しながら1冊書き上げるって思っていた以上に大変でした。全体のアウトラインを考えてざっくりと原稿書くところまでは割りと最初の勢いで出来たけど、付随する部分の原稿だったり、図版を考えたり、フォーマットを整えたりというところがかなりの分量があって気が遠くなりました。今回執筆途中で転職してしまったこともあって、編集の部分でだいぶ出版社の方や編集の方に頼ってしまった部分も多かったのでだいぶ助かったのですが。
Webデザイン受発注のセオリー デザインコントロールが身につく本
- 作者: 片山良平,宮崎綾子,ケン・サイトー
- 出版社/メーカー: ワークスコーポレーション
- 発売日: 2011/09/08
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 36回
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■ゴール
クリエイティブへの向き合い方を知る。
より良いクリエイティブを生み出せるための適切な情報のインプットの仕方、コンテキストの共有、生み出されたクリエイティブのジャッジメントとそのコントロールを学ぶ。
・どう発注すればいい結果が得られるのか?
・良い製作者かどうかどう判断するのか?
・社内でどうクリエイティブをジャッジするのか、させるのか?
・クリエイティブをコントロールするためのコミュニケーション
どういうタイミングでどういう情報を与えることで適切な意思決定がされるのか、適切な仕事をさせることが出来るのか?(逆にデザイナー的にはどういうヒアリングをすればいいのかが判る)
またこちの出した情報に対してどうリアクションしてくるかを見極めることでデザイナーのスキルを見極める術など。
自著「Webデザイン受発注のセオリー」が9月6日発売予定です
去年の9月ごろから執筆を開始した自著「Webデザイン受発注のセオリー デザインコントロールが身につく本」が2011年9月6日(予定)に発売されることになりました。
まだAmazonには登録されていないようなのですが、刊行元のワークスコーポレーションでは予約受付中です。Amazonよりもこちらのほうが早く届くとの事なので早く手に入れたい方はこちらからどうぞ↓
【先行予約】[本] Webデザイン受発注のセオリー デザインコントロールが身につく本 /片山良平 著|ワークスコーポレーション
「なにかこのデザインしっくりこない、でもどうデザイナーにそれを伝えていいかがわからない」そんな経験をしたことがないでしょうか。逆から言えば、Web担当者とうまくコミュニケーションができない、そんなWebデザイナーやディレクターの方はいらっしゃいませんか? この書籍は、これまであまり語られてこなかった、Webデザインのクリエイティブ面に目を向け、いかに成功に結びつけるかを解説しています。
↑こちら発刊元のワークスコーポレーションの書籍紹介文ですが、ここに書いてあるように、主にこの本は事業者側のWEB担当者や、受託側でもデザイナーとやり取りするディレクターに向けて書きました。
Webのなかでもデザインに関する書籍というと、デザイナーの人が書いたデザイナー向けの本や、デザイナーの人が書いたデザインの啓蒙的な本が多く、デザイナーに依頼する人の視点で書かれた物がほとんど無かったように思います。デザイナー視点で書いてしまうと、構造的にどうしてもデザイン至上主義になってしまうため、デザインに予算をかけようとか、デザインですべての問題を解決しよう、というような視点になりがちです。
この本では視点を「デザインを道具として利用する発注者」というところにおいて執筆をしました。なので、デザインで解決できる問題と解決できない問題があり、まずはそれを仕分けしようという事も書いています。TIPS的な明日から役立つノウハウ集ではありませんが、デザイン(特にビジュアルデザイン)というのがどの様に考えて作られているかを示し、センスではなくロジックでデザインに向き合えるように執筆しました。そういう意味では駆け出しのデザイナーの人にも自分がやっている事を俯瞰してみたときにどのようなポジションでデザインに悩みがある方には役立つ書籍だと思いますので是非読んでみてください。
興味ある方はfacebookページで「いいね」してください! →facebookページ「Webデザイン受発注のセオリー」