Amazon総合ランキング54位まで行った書籍第二版増刷プロモーションのまとめ

ひとつ前の「クライアントに振り回されるWebデザイナーに共通した、たった一つの特徴」というエントリが結構バズって、おかげさまで発売から1年半ぐらいたっている書籍(Webデザイン受発注のセオリー)が結構売れました。せっかくなので、どういうような組立てで今回のプロモーションを考えたのかまとめてみました。

Webデザイン受発注のセオリー デザインコントロールが身につく本

Webデザイン受発注のセオリー デザインコントロールが身につく本

■発端

今回プロモーションを行うと思った発端は、自著「Webデザイン受発注のセオリー」第二版増刷に向けて、もう一度読み直してみていたら、思いのほかケーススタディが生々しくて面白いなと思ったことがきっかけでした。

自分自身受託業から離れて2年ほどたっており(現在はサービス提供者側、というか経営サイドになっており)、そういったちょっと離れた視点で自分の書籍を読み返してみて、掲載されているケーススタディは結構リアルで、発注側のWeb担当者、受注側のWebディレクター、そしてデザイナーが読んでも共感できて、かつ色々と考える素材になりえるなと思いました。

またケーススタディは他のディレクター本でもあまり見かけない内容でもあるため、改めてこのケーススタディは他書に比べて競争優位性が高いのではないかと考えました。

ただこの書籍はタイトルに「受発注のセオリー」「デザインコントロールが身につく本」とあるように、明らかにWeb担当者およびWebディレクター向けであり、デザイナーは手に取っていないだろうと考えました。

■狙い

そこで第二版増刷に合わせて、これまで見てもらえていないWebデザイナーにターゲットを絞って、この本には面白いケーススタディ収録されていると認知をさせるプロモーションを行おうと考えました。

やり方としては、予算もないのでブログでバズを狙う以外ありません。ただWebデザイナーをターゲットとするのであれば、はてなブックマークGunosytwitterfacebookと相性がよく拡散しやすいので、釣りっぽいタイトルをつけてランディングさせて、ブログでWebデザイン受発注のセオリーに収録されているケーススタディ1本を公開する、という流れで認知まではたどり着けると考えました。

それ以降拡散するかどうかはタイトルの引きの強さと、コンテンツ自体の共感度合いによるかなと。

■どのようにやったか

まずははてぶでWebデザイナー等のカテゴリで人気記事を検索して人気のある記事のタイトルをリサーチしました。

  1. こんなWebデザイナーは成長しない | Webクリエイターボックス
  2. 私が出会った優秀なWebデザイナーに共通した26の特徴
  3. ウェブデザイナーのための基本的なデザインの10のルール

だいたいこんなようなタイトルが並びます。
タイトルの考え方は「ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則」が非常に参考になります。端的にいうとタイトルを読んで、それ以降に書いてある内容を読んでみたくさせる、ということにつきます。

ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則

ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則

この辺りを参考にしつつ、2〜3日タイトルを検討。
例えばこんな案もありました。

  1. Webデザイナー必見!真に受けると馬鹿を見る修正指示書の特徴
  2. Webデザイナー必見!クライアントに振り回されない指示書の読み方

ただこれだとWebデザイナー自身のドキッとくるタイトルではなく、指示書が中心になってしまっているので、もっとWebデザイナーが自分事としてドキッとするようなタイトルのほうが良いと考えました。また、本文に書いてある内容を想起させることを考えると、やはり「一つの」とか「たった三つの」と入れたほうが、シンプルでさらっと読めそうだという印象になりそうです。

そういったことを考え合わせて最終的に出てきタイトルが「クライアントに振り回されるWebデザイナーに共通した、たった一つの特徴」です。デザイナーやっていればクライアントに何かしら振り回された経験はあるはずなので、「クライアントに振り回されるWebデザイナー」と書くと大体のデザイナーは自分事としてドキッとしそうだと。結構エグイので本当にここまで振り切ったタイトルでいいのかと悩みました。。

■どうなったか

日曜日はブログの内容は書き終えていましたが、仕事的な内容なので平日の仕事をしているときのほうが目に留まりやすそうな記事のため、公開は月曜日のよるに行いました。

自分でtwitterfacebookに流してあとは待つだけ。。 月曜日はほぼ反応はありませんでした。記事が恐ろしく長くなってしまったため失敗したかなと思ったのですが、火曜日夜に3000人ぐらいフォロワーがいる方が本文を一部引用して粒やてくれたのをきっかけに一気に広まり、水曜木曜の二日で約3万UUぐらい、Amazonでは100冊以上売れて一気に初版の在庫を売り切りました。Amazonでは総合ランキングで54位、Webカテゴリーのランキングでは2位まで上昇しました。おかげさまでしばらく第二版の入荷待ちが続くといううれしい悲鳴状態でした。(今は第二版が入荷しました。)

最初はTwitter、次のはてなブックマークfacebookと続き3日目あたりでグノシーや他ブログで取り上げていただき、そこからの流入が増えたという感じ。波及効果で書店でも売れ行きが伸びて大型書店では在庫がはけたとの報告も入っています。

はてぶは500ブックマークを超えて、ブログの記事のイイネは2000を超えました。最初はWebデザイナークラスタのみで広がったようですが、その後、紙系デザイナーや映像系、文章系、最後のあたりでエンジニア系にも広まったのは当初の狙いからすると意外でした。ただ考えてみると受発注の話を扱っているので、普遍性のあるネタだったのだなと思いました。

なかなか狙ってできることではありませんが、こういったプロモーションを考えている方の何かの参考になれば幸いです。

Webデザイン受発注のセオリー デザインコントロールが身につく本

Webデザイン受発注のセオリー デザインコントロールが身につく本