35歳までに読むキャリアの教科書

文庫本で久々のヒットな本。自分ができる事を「能力」、やりたい事を「動機」とし、それぞれ範囲を増やして能力と動機が交差する領域を作り、その領域の職業につく事、それをどう目指すか、というのが本書の内容。
動機の部分は仕事をする中でより明らかになってくるので、新卒の時点ではとても狭い領域でしかなく、能力については言うまでもなく新卒の時点では殆どない。それをキャリアを重ねながら双方を拡大していき交差するところまで持っていき、交差した領域の仕事を得るという流れなのだけど、自分のやりたい事、進みたい道をどう見つけるか?というのが最も難しい点だと思う。本書の中でも自分のやりたい事を見つけるためのフレームワークを紹介していて、若干苦しんで書いているなと読んでいて思ったけど、やりたい事ってどっかに転がってるわけじゃなくて、必要なのは悩む事と、自分自身を知ろうとする事と、決断する、という3つなんだと思う。
悩むこと。これは単純に考え続けること。日々降りかかってるくることだけをこなしていたら新しい発見って少なくなっちゃうから、常に悩み続けて、自分が本質的に求めていることって何だ?と思いながらアンテナを張って、チャレンジして、って事を続けることがとても大事。
自分自身を知ろうとする事。自分のことってなかなか見えにくくて、向いていること、やっていて楽しいことと、あこがれている事って結構乖離があったりする事が多い。ある意味憧れを捨てて自分を受け入れると言うことが重要かもしれない。そういう方向で如何に自分を深めていけるかが大事。
決断する。これはずっと悩み続けていても前に進まないので、ある程度悩んで登る山を決めたら、頂上に着くまでは迷わずやり続けること。どの時に決断するかってのは人それぞれで難しいけど、最初は大きな方向性、途中いくつか分かれ道での決断があるように思う。そのときは大局をみて、行くべきだったら多少自信がなくても覚悟決めて飛び込むことが必要なのだと思う。

能力の方は資質は大いにあるけれど、その上に積み重ねるキャリアは、人生の時間が有限なのでそれなりに計画的に積んでいく事が重要だというのを、本書を読んでてしみじみ思った。キャリアプランニングする事の重要性にいまさらながら気がつかされた。(これまで考えてなかったわけじゃないんだけど。。)大学生が読んで分かるか分からないけれど、就職活動のときとかにこの本読んだ本がいいんじゃないだろうか、、
とはいえ、自分の人生ってなかなか俯瞰できるわけじゃないから、今目の前にある問題に対して逃げずに取り組んでいく事が、必要なスキルを身に着けることになるし、自分の動機を深める事になるのだと思う。
さらっと読めるけど、とても良い本でした。