コロー展

国立西洋美術館に見に行く。年代で追っていくとどういう思考の変化が有ったのかとか、人間の頭の中が年を経ることでどう整理されていったのか、みたいな事が少し見えてきて面白かった。
同じモチーフで別の画家が描いた作品も少しだけだけど並べて展示してあったりして、対比する事でいろいろな事が見えてくる。コローの絵を見ていると自分が見ているものはどこの部分に意識が集中していて、逆にどの部分はあまり見ていないのか?というような事を良く観察していたんだろうなという気がした。自分が写真撮るときも、自分が今撮ろうとしているものは自分の意識の中で何を見ていて何を見ていないのか、というようなことを考えながら、対象物に対して自分が感じた物だけが写るように、意識を切り取るような感じで、いらないものを省くフレーミングやボケ具合、また一番伝わる構図なんかを探っていくのと似ているなぁと思った。
コローの画面の作り方は見ているととてもデザインされているなぁという感じで、いろんなことがよくよく考え抜かれている感じ。ただ写実な訳ではなくて意識を良く切り出しているというか。そういう意味で写真やデザインのアプローチと良く似ているなぁと思った。
絵なんて見に行くの久しぶりで、一通り見て回るのに3時間以上かかってしまい疲れたけど、凄く勉強になった。