エンデュアランス号漂流

エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)

エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)

1914年、アムンゼンらによる年極点到達につづいて南極大陸横断に挑戦したアーネスト・シャクルトンらエンデュアランス号乗員28名の17ヶ月に及ぶ漂流と、全員無事に奇跡の生還を遂げるまでのノンフィクション。
1914年というと無線も雪上車も実用化されていない時代。南極を目指した一行は南極圏の流氷地帯で氷に船が9ヶ月間閉ざされ、その後氷の圧迫により船は沈没。氷の海に取り残された一行は、寒さ、食糧不足、疲労など救助のまったく期待できない最悪の状況で、幾多の困難に直面しながらも、時にはその状況を楽しみながら、また時には苦しみに絶えながら奇跡の生還を遂げるという、久しぶりにどきどきしながら読めた本。
水がなくなったり、眠れない状況が続くなどの極限状態意外の場面では、割とその状況に適応して、その状況を楽しんでしまったりしているところが多々あり、人間の適応力に驚かされた。シャクルトンがわりと楽観的な面が有る人なのでそれが幸いしたのかもしれないけれど、悲観的になって消耗してしまってもなにも問題は解決しないって事は良くあることで、冷静な判断と楽観性って結構重要なのかもしれない。
しかし後半はかなりの艱難辛苦。ほんとに奇跡としか言いようがない・・・。