クライアントビジネスを知る為にすべき事

夏

先日IA勉強会後の懇親会で「エンドユーザー視点の使いやすさ追求だけでなく、クライアント(仕事を依頼してきた企業)の利益を出すためにもっとクライアントを知るためにどうすべきか?」という話をしたのだけれど、仕事的に最初に抑えるべき基本でありながら実に難しい問題だなぁといつも思う。
この課題については前の職場で8年ほど付き合いのあったクライアントの仕事を通してずっと考えてきたのだけれど、まず前提としてクライアントワーク(受託)の場合、クライアントとエンドユーザーをどう結ぶか、ビジネスニーズとユーザーニーズをどう結ぶか、という事が仕事になるのだけれど以下の点が課題になる気がする。

  1. ビジネスニーズとユーザーニーズのすり合わせのバランス
  2. ユーザーニーズの測定
  3. ビジネスニーズのブレ
  4. ビジネスニーズとユーザーニーズの激しい乖離

1.に関してはどこまでやるか?というところで、予算があるので実はそんなに難しくないけれど、製作者としての欲をどうコントロールするかという事。
2.は現状のユーザーニーズを知る事のは割と簡単にできるがそれなりに予算が必要なこと、また半歩先に何を求めているかを知るのは結構難しい。
3.4.がとても根の深い問題で、クライアントワークのジレンマであり醍醐味でもあるところ。ビジネスニーズのブレとは、クライアントの社内でも何をすべきか、なにがビジネスゴールが共有されていないという事。担当者の思い入れが強くてビジネスニーズを無視してる事は良くある事で・・・。
ビジネスニーズとユーザーニーズの激しい乖離は、そもそも市場がない、ビジネスにならない仕事をクライアントがしようとしている事があったりなかったり。

クライアントを知れば知るほど相手の組織の問題、ビジョンの問題等の企業としての競争力となる根源的な問題に直面する事になるわけで。なので受託で「クライアントが儲かるための仕事をする」という事は実はかなり難しくて、それなりに長期間仕事を一緒にやってもお手伝いが出来るレベルの話なのではないかとおもったり。何かやったことでクライアントが儲かったとしたらそれはどちらかというとクライアント側の功績だと思うし。

ではクライアントを知るということが無駄なのかというとそんな事はなくて、受託でできる限界を知った上で、クライアントが企業としてどのような問題を抱えていて、また組織的にどのような問題を抱えていて、何を目指して何を求めているかを知るという事が重要なんだと思う。その中で自分達が最大限できることって何だろうと考えるしかないというか。
どうにもならない領域に中途半端に踏み込んでもどうにもならないので、その「どうにもならない領域を知る」という事がクライアントを知るという事なのだろうと最近思います。

ちなみにクライアントビジネスを知るにはクライアントのビジネスの現場に足を運ぶ、クライアントの色んな部署との人と仲良くなるのが手っ取り早いと思います。全然手っ取り早くないけど(爆)