ネットイヤーグループを退職しました

このほど約4年ほど勤めたネットイヤーグループ株式会社を退職しました。正確には5/8までだけど。次の会社は既に決まっていて5月9日から。今回の転職は、やめるときに有給をたくさん使おうと思っていたけど結局数日ほどしか使えなかった。。
ネットイヤーグループには2007年6月に入社したので正確には3年11ヶ月の在籍でした。ネットイヤーグループの前に在籍した会社は、調布の20名程度のプロバイダー兼システム開発兼Web製作をやっている零細企業だったので、もっと大規模で、フローがある程度確立されていて、ナショナルクライアントを手がけられる環境でWebの受託を極めたいと言う思いでネットイヤーグループに転職したのを覚えています。
ネットイヤーグループの前の調布の会社の時は、地元の仕事を直受けで内製でこなしていたため、Web業界の知り合いも少なく、自分がどのぐらい出来るのかが良く分からなかったから、腕試ししてみたいと言うような気持ちも強かった。当時割とさくっと内定もらえたけれど、ネットイヤーグループで手がけてる仕事の10分の1以下の規模ばかりやっているような(しかも当時外注コントロールの経験さえもない)人間を良くとってくれたなという気がする。今考えるとIPOを目指していた時期で、景気がまあまあ良かったというのも実に運が良かった。今だったら、当時の自分のスペックだったら落とされて可能性もあると思う。
ただ実際はいってみたら、逆に小さいところで何でもやっていた経験が活きて、最初に手がけた案件で、プロジェクトマネージャー(自分)+IA+アートディレクターという社内の体制のはずが、一人プロジェクトになってしまったのだけど、IAワークを自分でやったり、デザイン周りは極力省力化させるとか、死に物狂いな感じでやってみたら割りとすんなり廻すことが出来た。
ネットイヤーグループで自分が配属されたグループは、1クライアントをずっとやっているグループで、それまでに積み重ねたしがらみが色々ある関係で、「慣れるまで1年かかるよ」と盛んに言われたのだけど、結局その最初に手がけた案件を一人で廻すことで色々学んで、割りとすぐパフォーマンスを発揮することが出来た。
そのおかげで入社二つ目の案件で、誰もが知っている非常に大きなブランドのフルリニューアル案件のプロジェクトリーダーを任された。前の会社で普段やっていた案件規模と比べると予算規模で約100倍、ページ数でも50倍、前の会社の最大の案件と比べても予算規模で40倍とかそんな規模だった。期間も1案件のみ専業で8ヶ月という、Web製作で考えると結構大きい規模。これもすごく大変だったけど、会社近くに引っ越すとか、仕事以外のものをかなり切り捨てて仕事に集中する環境にしたら、大きなトラブルも無くローンチすることが出来た。人間やれば出来るのだ。
その後、社内の業務改善とか、ユニットリーダー、統括PM、プロデューサーとかをやりつつ最終的にはチームリーダーになって、組織的には派遣さんとか、常駐のパートナーとか含めると、自分の下に、前の会社の全員より多い人が居るような状態になった。
それなりの人数のマネジメントを経験できたのは自分的にすごく大きかった。組織運営の難しさを知ることも出来たし、組織の問題解決にずいぶん時間を使えた(使う羽目になった)のも経験になった。修羅場的なものもいくつか潜り抜け、精神的にだいぶタフになった。

この4年間は、120%で走ることをずっと求められるような4年だったのだけど、前の会社がぬる過ぎて、自分の力を注げる仕事がなかったので、そういった面でネットイヤーグループは高い要求を求められたのでやり甲斐があった。辛い事も多かったのだけど、仕事に120%徹したかった時期だったので、いろんな事を切り捨てて仕事に集中することが自分的に結構好きだったりもした。おかげでこの4年でかなり成長できた気がする。けっこうな社畜系男子だったかもしれない(笑)

しかし仕事も猛烈に忙しかった一方で、結婚もできたし、社内公募プロジェクトで自分のプランが1位通過したり(諸々事情があり実現しなかったけど)、社外勉強会のWebsig24/7でしゃべったり、本を出すことになったり(実際出るのはもう少し後です・・・)と色々充実していて、それまでの苦労がだいぶ花開いた気がする。俯瞰視点の戦略と、目の前のことを誠実に真摯に取り組むって事が大事なんだなぁと言うのがよく分かった。
こうして振り返ってみるとこの4年は充実していて、ネットイヤーグループに入ってよかったなぁ、としみじみ思う。
ただ、これ以上居て、自分が考える「自分が向かうべきところ」に近くなるかと考えたときに、そうではなくなってきてしまった。当初やりたいと考えていたことは概ね達成できてしまって、まだ学べることはたくさんあるだろうけれど、自分的にここに居てこれ以上追求したいものが殆どなくなってしまった。
ここ1年営業側に仕事の軸が移って、お客さんとべったり仕事してる中で、Webだけが問題解決の手段ではないのに、Webしか売れないことにも疑問を感じるようになってきていたし、ビジネスへの興味が以前より強くなってきていて、様々なビジネスモデルを見たり、ビジネスのアイデアや事業立ち上げに関わりたいという思いが強くなってきていた。
Webサイトの問題解決を真剣に考えたらWebサイト作りをしてるよりクライアント側の組織の問題を解決したほうがよいし、組織の問題解決を考えるならば組織を作る側に居るべきだし、組織を作る側に行くということは経営のレイヤーで関わっていかなければいけないし、そのためには自らビジネスを作り出せなければいけない。
そういう風に考え方が変わってくると、Webの受託産業はもう卒業してもいいかなと思うようになりました。このままいても、Webの受託ビジネスを改良していくことは出来ても、ビジネスを作り出せるようになれる気がしなかった。
と言うことで、脱Webの受託産業です。今後は業種を変えて、スタートアップファクトリーを標榜するハンズオン型のインキュベーター業(なのか??)に移ります。インキュベーター業というとちょっと語弊があるかもしれないのだけど、他にない業態で説明しづらいので、それは入社後おいおい報告します。
今後Webはツールとして使う形でキャリアを積んで行こうと思います。これまでお世話になった皆様、本当にありがとうございました!!